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こどもイキイキ

NPO法人インフィーニティー主宰、
野口先生からのメッセージを掲載していきます。
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≪Vol、2≫ 「心の成長生理学②」

2010年6月21日

 私たちは、朝目覚めてから寝るまでの間、約6万回思考しています。そのうちの95%は昨日と同じようなこと、またそのうちの80%は殆どの人がネガティブなことだといわれています。例えば「あの人、挨拶してくれなかったけど何か怒っているのかな?」「失敗したらどうしよう」「どう思われるかな」など、このような日常的なものは数限りなくあることでしょう。中には自己を否定するような内容もあります。「きっと自分にはできない」「この失敗は自分のせいかもしれない・・」このような思考が習慣的に繰り返され、思い癖となっていくのです。
 近年、よく耳にする『ストレス』。その原因はネガティブな思考と言われています。強いストレスになると病気にまで発展してしまいます。ストレスを解消することが、病気の予防にも繋がるということで、最近では様々なセラピー等が星の数ほど出回っていまが、根本となるご自身の思い癖に気づいて改善することをお勧めします。元を断たなきゃ繰り返しますからネ。

 では、この思い癖はいつからついてくるのでしょうか?スムーズな会話ができるようになる3歳くらいから?その前に、私たちが何気なく(無意識に)思考し言語化しているメカニズムについてお話します。
 私たちは自由に言葉を操っていますが実は脳の働きによって実現されています。例えば「ヤカンの写真」を見せて「これは何?」と尋ねると「ヤカン」と答えます。ではどうして「ヤカン」と答えることができたのでしょうか。そのプロセスを追ってみましょう。
①まず、写真を見ます。ここでは五感のうちのひとつである「視覚」を使っています。
②次に、体験・経験からすでにプログラムによって「ヤカン」と判断されます。
③最後に「言葉」にして口から出ます。
ところが同じ答えでも体験は人によって違っています。例えば沸騰するヤカンに触れて「熱っ!」と大声をあげた体験をしたことのある人は、写真を見た瞬間その経験もくっついているかも知れません。夏の暑い日、スポーツをした後、冷たーいお茶を飲んだ経験のある人は、その経験がくっついているのかもしれません。私たちは皆、様々な体験を五感で記憶しているのです。
 この「五感」の感覚機能はいつごろから発達していくかというと、既に胎内にいるときに準備されています。妊娠6カ月のときには殆どの機能が整っているといわれます。妊娠中の母親の精神状態や栄養摂取状態など環境整備はとても大切になってきます。ということで、思い癖はお母さんのお腹の中にいるときから準備されているということになってしまいますね。

写真:みんなでアートセラピー